敷地は現本社にほど近い伊勢山から西区中区を見通せる、創業100周年事業に伴う本社移転事業に相応しいロケーションにありました。
敷地形状はおよそ奥に狭くなる三角形で、良い地形とは言えませんでしたが、二つの長方形ブロックをムの字に交差させることで
効率よいゾーニングを実現しました。
設計コンペでオーナーから1位の評価を受けた、最大の要因はピロティの処理方法でした。
1階は商材である事務機器類倉庫とエントランスホールの配置を要求されましたが、商材を積み込む車寄せ、荷捌きスペース、駐車台数の確保、
というゾーニング条件をピロティ正面中央の柱を抜くことで解決したことです。
構造力学的検討によって、中央柱を抜くために上階の事務所空間のスラブをブレース構造によって支えるシステムを採用しました。
1,2階総フロアを事業主の本社機能とし、3階総フロアと4階の一部をテナントの事務室、ショールームとして使うことが決まっています。
2,3階の北側前面道路に面する空間は事業主、テナントそれぞれの事務室空間としてゾーニングし、北側オフィスの有効性を考慮しました。
4階ショールームはカーテンウォールで囲むことで外部からの視認性を確保するとともに、建物の記念碑的な象徴性を表現しました。
神奈川県横浜市
2022年11月
S造4階建・延べ面積850㎡
M@works